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IT ロードマップ

ITロードマップと情報技術マップ

情報技術の進展は目まぐるしく、ブロードバンドやモバイルなど情報技術を巡る環境変化が激しさを増している。そのため、企業が適切なIT投資を行うためには現在利用可能な技術の客観的位置づけを把握するとともに、将来利用可能となる重要技術の動向を予測し、その予測にもとづき技術戦略を立案することの重要性が高まっている。NRI(野村総合研究所)では、このような技術の客観的位置づけを把握し、将来動向を予測する活動をITナビゲーションと呼んでおり、その一環として2001年より継続的に「情報技術マップ」と「ITロードマップ」を作成している。

図表1に「情報技術マップ」と「ITロードマップ」の関係を示した。「情報技術マップ」は、現在利用可能な膨大な数の情報技術の利活用状況を俯瞰的にとらえることを目的としたものであり、約100種類の技術の成熟度を技術分野ごとに位置づけた”マップ”である。一方、「ITロードマップ」は、通信技術やサーバ技術といったITの特定の領域について、現在から5年程度先までの技術の進化を予想することにより、時間軸を考慮した技術動向を把握することを目的としている。そのため、「情報技術マップ」が現在のスナップショット的な“マップ”であるのに対して、「ITロードマップ」は将来予測を含む年表形式の “マップ”となっている。

ITロードマップ

「ITロードマップ」は技術領域ごとに将来利用可能となる新技術を発掘し、その普及時期の予測を行う。また、その技術が生活者やビジネス環境に与える影響を明らかにすることにより、企業がいつ頃、どのような技術に取り組む必要があるかを検討する際の基礎情報として活用することを狙いとしている。

「ITロードマップ」の作成にあたっては国内外の研究開発動向、標準化団体の活動状況、ベンチャー企業の製品、その分野での主要企業の製品開発動向などを幅広く調査し、これら調査結果をもとに、ITアナリストの専門知識に基づく判断を加えながら、リポートとしてまとめている。リポートには図表2のような年表形式の予測に加え、先進的なユーザによる新技術の活用事例や新技術を保有しているプレイヤーの評価・分析結果を記載している。

近年、ブロードバンドネットワークの普及やWeb2.0の進化にともない新技術が数多く生まれており、ITは今まで以上に企業活動に大きな影響を与えている。また、数多くの技術が生まれる一方、信頼性や対投資効果などの観点で、必ずしも企業の利用には適さない技術も少なくない。新技術の採用にあたっては、実際にその技術を用いて様々な試験を行い、品質や有効性を評価する必要がある。しかし、現在、我々が利用可能なITは極めて多様化しており、全てを把握していくことはますます難しくなっている。「ITロードマップ」の意義はこのように、重要性を増しながらも多様化しつづけるITの今後を把握し、見通しのある情報システム戦略あるいはITビジネス戦略の立案に役立てることにある。

●情報発信活動

NRI情報技術本部では、情報技術マップやITロードマップなどのITナビゲーション活動の成果を出版や各種セミナーなどを通じて広く社外に向けて情報発信している。ITロードマップの調査結果をまとめたものは、2005年12月に東洋経済新報社から書籍「2010年のITロードマップ」という形で出版し、その後も毎年継続的に出版を続けている。2007年12月には「ITロードマップ2008年版」を出版した。また、情報技術本部主催の「ITロードマップセミナー」も春と秋の年2回継続的に実施しており毎回300名近い方々にご参加いただいている。ITロードマップ調査を担当しているITアナリストは上記の情報発信活動以外にも、新聞、IT関連雑誌やWeb向けの取材対応や寄稿、テレビ出演などを年間100件以上実施しており、広く社会全体に対して情報発信活動をしている。

【2008年 1月15日掲載】

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