開発管理ツールR&D
背景と目的
システム開発の納期や品質に対する顧客からの要求はますます厳しくなっています。そのため、進捗管理や品質管理は一層重要となっています。また、オフショア開発においては、プロジェクトが地理的に分散することで管理負荷の高まりが問題となってきました。
そのような背景もあり、最近では様々なプロジェクト管理ツールが有償製品やオープンソースとして登場してきています。当社においてもこれらのツールを導入して管理情報を一元化することで管理の省力化を実現した例が見られるようになりました。
本R&Dでは、プロジェクト管理のうち品質や進捗などの一部の管理を括り出し“開発管理”と呼び、上述のような課題を抱える事業本部と共同で以下のことを実施していくことを目的としました。
1.各ベンダーがパッケージで提供している既製の開発管理ツールの調査を行い、比較・調査を行う
2.アプリケーションを開発する当社の各事業本部への適用可能性を評価する(*)
* 当社は各事業本部で様々な開発ツールをインフラとしてすでに導入しており、これらの既存ツールとの連携機能も評価のポイントとしました。
R&Dの流れ
本R&Dの流れは以下のとおりです。(2007年9月〜11月)
1.開発管理ツールに必要な機能の洗い出し
対象事業本部と共同で開発管理ツールに必要な機能要件を洗い出しました。2.ツール調査&ベンダーヒアリング実施
インターネットなどからツールの情報を取得するとともに、有力ツールに関してはベンダーに直接ヒアリングを実施するなどして机上評価を行いました。また、評価版などを利用することで 実際に環境を作り、機能などを調査し、比較を行いました。3.評価
2.の比較で洗い出した有力ツールを1.で定めた要件に照らしていくことで事業本部への適用可能性を評価しました。
ツール調査結果
本R&Dでのツール調査結果の抜粋を以下に示します。ここでは、今回特に重視した機能7項目に対する評価を3段階(○、△、×)で示しています。
まとめ
有償ツールではプロジェクトにおける情報を一元化するような統合管理ツールが多く見られました。このようなツールを最大限に活用する場合、現在開発管理に用いている情報(CVS:Concurrent Versions Systemによるソースコードのバージョン管理情報など)もすべて同一ベンダーの開発管理ツールで置き換える必要があります。統合管理ツールは幅広い管理機能を実現し、既存の開発環境とも連携が可能などのメリットはありますが、実際の適用に当たっては多大なカスタマイズが必要だと思われました。
一方、オープンソースツールは有償の統合管理ツールのように多くの範囲をカバーできるものは存在しないので、適用するに当たっては複数のツールを組み合わせて使用していく必要があります。しかし、個々の機能としては非常に優れているものもあり、サポートこそ受けられませんが有償ツールのように利用人数が増えることによるコスト増がないのも大きな強みと言えます。実際に適用に当たっては複数のツールの組み合わせやその連携部分のカスタマイズが必要になると思われました。この場合ソースコードが公開されているのも利点となると思われました。
以上のようにどのツールを適用するにしてもカスタマイズは必要となります。今後は現場と密に連携し、フィードバックを受けながら適切にツールを導入していくことで管理の省力化、品質向上が見込めると考えています。
【2008年 2月 14日掲載】



