サイバーコミュニケーションにおける感情伝達に関する共同研究
NRIでは京都大学と共同で「3D-IES」(3次元仮想空間を利用した双方向遠隔教育システム:http://www.3d-ies.com)を利用し、『コンピュータを介したネットワーク上での感情伝達』に関する研究を行なっています。
電子メール、チャット等、ITの発展により、コミュニケーションの形態が変化しつつあります。これまでネットワークによるコミュニケーションは、時間的・空間的制約を克服する手段として利用されていますが、ネットワーク負荷軽減のために無駄な情報は削ぎ落とされていました。
ネットワークのブロードバンド化などインフラ・情報技術の条件が揃いつつある中、これまでの無駄を削ぎ落としたコミュニケーションから、コミュニケーションにおける重要なファクターである感情伝達というものに注目が集まっていくでしょう。
サイバー社会でのコミュニケーションの特徴として匿名性が挙げられます。つまり自分の顔や姿を実際に見せなくてもコミュニケーションが成立するということです。
その一方、対面コミュニケーションの特徴である表情動作等を含む感情伝達というものは、自然で円滑なコミュニケーションを行なう上での重要な要素となっています。
コンピュータを介したネットワーク上でのコミュニケーションが一般的になるに従い、感情をコンピュータ上でも表現したいという要求がされるでしょう。
本共同研究ではこのような課題について、京都大学の総合情報メディアセンター−美濃研究室、教育認知心理学−子安研究室、楠見研究室と共に、コンピュータコミュニケーションにおける感情の抽出、分類、解析、伝達するシステムとして、テキストからの感情推測、また表情認識技術による感情解析のシステム化を進めています。また、本システムでは実映像を送るのではなく、より感情表現を豊かにするために3Dアバター(3Dキャラクターによる分身)を用いています。
本研究での成果の適用例として、将来様々な分野で利用されるであろうAIエージェント(AIアバタ−)を挙げることができます。人間味溢れる対応が可能な AIエージェントにより、顧客が自然の会話の中で表す感情変化をも含む膨大なマーケティング情報の取得が可能となります。
更に、キャラクターを媒介としたTV電話への応用も視野に入れています。携帯電話がTV電話として普及したとき、顔を介したコミュニケーションが定着する事が予想されます。家にいる等の理由で顔を出したくない場合に、顔をキャラクターの表情に変換して会話を行ないたいといったニーズが顕在化するでしょう。顔の表情から感情を解析し、それをCGに反映させる技術が確立されれば幅の広いコミュニケーションが可能となります。




